チャンネルデバイダー導入記(1)

さて、かなりブログが書けない日が続いてしまった・・
生徒さんにもよく言うことだが
「できなかったことで思い悩むのはナシ」ということにしているので
また気持ちを切り替えて楽しく書いていきたい。

前回は簡易版のチャンネルデバイダーでツィーターを追加して
音楽をくというのを試してみた。
で、既成品のスピーカーで自分好みの音を聞くのが
かなり難しいのではないかという話を書いた。
音のバランスはジャンルやメディア、エンジニアやレーベルによって
変化するし、何と言っても「聞き手の好み」が千差万別だからだ。
例えば高い音にしても、
ヴァイオリンが綺麗に聞こえるのと
シンバルがバシーンと来るのと
女性ボーカルの子音がふわっと聞こえるのとでは
それぞれセッティングが異なってくる。
それは前回簡易版のチャンデバを使って
色々なジャンルを聞きながら調整したときに感じたことだ。

さて、この項をお読みになる方が
「チャンネルデバイダー」と聞いてどう思われるだろう?
初耳という方も多いだろうし
「金食い虫」あるいは「マニアのもの」と思う方もいらっしゃろう。
実際私もこの記事を書くために自分で試してみるまで
自分には縁のないものというイメージで暮らしていた。
存在は流石に知っていたが
「高額なアンプやスピーカーに飽きたらなくなったマニアの特殊な趣味」
という感じでチャンネルデバイダーを使ったマルチアンプシステムを捉えていた。
少なくともセパレートアンプを経験したものでないと手を出せないということは感じていた。
一般的なリスナーにとってアンプといえば「プリメインアンプ」ということになるからだ。

実際に私の環境でも「プリアンプ」に相当するものは使っている。
それはこれ

Allen&Heathのミキサー Zed10FX

複数のオーディオインターフェイスや録音機を使っているので
あると便利で、もう5年ほど使っているだろうか・・
聞き専用のプリアンプというと20万円以上が相場だが
音楽制作用の機材はずいぶん安価で
このミキサーは確か2万円ほどで購入したと記憶する。
マイクプリとかも付いているし値段の割には充分使える機材と思う。

先日の実験ではこのミキサーからの出力をチャンデバに入れて
2ウェイのマルチアンプシステムを鳴らしていた。
今回の「16センチフルレンジ」の実験の前は
このミキサーの出力をAdam A7で鳴らしていた。
(それ以降は音楽を聞くのにA7は使わなくなった)

さて今回のキモの機材はコチラ

dbxのDriveRack PA2

これも先程のミキサーと同じく一般の音楽愛好家向けではなく
PAを生業とする現場向きの機材だ
内部の信号処理はディジタルで行っているが入出力はアナログ、
つまり入力時にアナログディジタル変換をしてその後信号処理を内部で行い
ディジタルアナログ変換をして外部出力するという感じの機材だ。

オーディオマニアの方たちからすると「音が劣化する」と
槍玉に挙げられそうだが(ADDA変換が行われるので)
私が自分の環境で使った感じでは劣化はほとんど感じられなかった。
当たり前といえば当たり前だ。
ライブの会場でアーティストが自分の声質が変ってしまったのでは
気持ちよく歌えないではないか?

この機材、機能はすごく豊富で
チャンネルデバイダーは3ウェイで
high mid lowのクロスオーバー周波数 それぞれ1ヘルツごとに調整可能だ
カットオフのスロープも-48db/OCTまで使える
アナログ方式のチャンデバではここまで急峻なカットオフはできないから
これは大きなメリットとなる。
各チャンネルごとに「ゲイン」が0.1db単位で調整できる
つまりスピーカーの多少の能率の違いはセッテイングで調整ができるということだ。

high mid lowのLRごとにミュートスイッチが付いていて
これがすごく使いやすい。

high mid lowの帯域ごとにディレイが使える
このディレイはスピーカーの位置に換算すると
「2センチ単位」で調整ができるので
発音のタイミングをかなりシビアに追い込むことができる。
実はこの機能が欲しくてディジタル式のチャンデバにしたのだ。

リミッターやコンプレッサも付いているけれど
これは自宅でマルチアンプのために使うのには不要な機能
限界までボリュームを上げたい方には便利な機能と思うが
PAでないと使わないでしょ、きっと。

EQはグラフィックイコライザーとパラメトリックイコライザーが別途に使うことができる。

マイクをつないでボタン一つでフラットな再生をさせる機能も付いている
(オートEQ)
その場合パラメトリックイコライザーが補正に使われるようだ

ハウリングを起こしている周波数を診断して補正する機能が付いている
AFSと呼ばれているようだ。

しかもそれらのセッティングをメモリして100個くらい保存することができる。
つまり
セッティングに困ったときにAB比較を簡単にすることができる!
曲やジャンルによって好みの設定を保管することができる!
名前を付けて保存できるのでこれも便利と言える。

ちなみに
ベリンガーのチャンデバも同じような機能が付いているが
あちらは自動補正のEQやハウリングコントロールには別の機材が必要になる
お値段的にはベリンガーとほぼ同等だが、コチラは一台でチャンデバもEQも
賄うことができるのでdbxのほうが倍お買い得ということができる
(参考までにマニア御用達のアキュフェーズのチャンデバとEQ 60万とかします。
 勿論2台に別れてるので×2のお値段ですね♡
勿論高額になるにはそれなりの理由があるのでそれらを否定してるわけでない)
私が買った時は4万円ほどだった(サウンドハウスさんで購入)
その後円高が進んでもう少し値が下がったが全く後悔はしていない。

簡単に言うなら
「ものすごく使える機材です、最高!」

続きます

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