入院日記(12)

採血やら、点滴やらについて今回は書いていきます。

入院時の最初の処置のときに採血ができなくて
往生こいたのは、すでに書いたことですが、
入院3週間の間、採血、点滴には文字通り
「悩まされ」ました。そりゃあもう、ひどい勢いで。

採血のときは
看護師さんが血管が見つからなくて困った様子をしている
「チクっとしますよ〜」
痛みはあるが血が取れないようだ!
「ごめんなさい、別の場所でやってみます」
針の刺し直し
痛みはあるもののやはり血が取れないようだ!
「ごめんなさい、もう一度やらせてください」
針の刺し直し
痛みはあるものの何とか採血できた!
みたいなのがよくあるパターンで
退院までに「8回」針の刺し直しをされて
すっかり苦痛になってしまった。
そう、朝に看護師さんに
「今日は採血の予定はありますか?」と
聞くのが日課になるくらいに。
採血があると聞けばその予定の1時間くらい前から
ベッドに横たわり、布団をかぶって
血管が縮まないように工夫をして採血に臨んでいた。
あと水分も多めにとって血が出やすいようにもしたりしていた。

点滴のときも
看護師さんが血管が見つからないのか困った表情をしている
「チクっとしますよ」
針が血管に何とか入ったようだ(モチロン痛い)
「お薬入れていきますね」
「イタタタタ!無理です!スゴく痛いです」
「おかしいですね、入ってるはずなんですが・・。では刺し直しますね」
別の場所に針が刺さったようだ(モチロン痛い)
「お薬入っていかないですね・・
今、専門の看護師を連れてきますので、しばらくお待ちください」
点滴専門の看護師さんは流石にスゴく上手くて
一発でよさげな血管を見つけてすぐに
スルスルと薬液の入る点滴をうってくれる。
私は入院中点滴専門の方を都合3回呼んでもらった。
だから累計失敗数は採血より少なく「5回」だった。
毎朝、看護師さんにその日の点滴予定を聞いて
入念に準備をしていたのは言うまでもない。

自分の名誉のために言っておきたいのだが
今までの人生では採血も点滴もほぼ失敗したことはない。
それだけで守られる名誉も大したことはないといえばそうなのだが。
薬とか、食事が急に減ったっこととか、運動ができないことか
複合的に効いて血管が細くなったのだと思ってる。
でもね、これ、ほんとに辛いんですよ。
一種拷問みたいなモンだとお感じになるでゲショ?
採血のたびに、点滴のたびに
『痛み』を予測して、刺し直しが多いときは3回に及ぶわけですよ?
採血、点滴と考えただで、退院からかなりたった今となっても
未だに息がゼーゼー、心臓バクバクになっちゃうんです、いや、ほんとに。
工夫をしてもあまり効き目はなかったしね、いや、パねえですよ、ほんとに。


ある時からもう、「アピール」することにしましたです。
「私、採血今まで8回失敗されてますので、慎重にお願いしますね(にっこり)」
「点滴、私入りづらいみたいで、今まで5回失敗されてますので丁寧にお願いします(にっこり)」
みたいな感じで。
「数えておられたんですか?」
「ハイ、あまりに失敗が多くて辛いものですから(にっこり)」
ええ、嫌な患者と思われようが一向気にしたりはせんとです。
私も自分の心と体を守るため致し方なかとです。
この話を帰ってきてきてから娘にしたところ、可成り引かれましたが気にせんとです。
これは私の戦いなのだから、他の人都合はどうでもよかとです。
結果
このアピールしてから、一度も失敗されなくなりました。
これはホントです。
(体の回復具合とかも関係あったのかも知れないけども)
「なんだか緊張してきました〜〜」
と看護師さんが言ってこられてちょっと悪いかなとは思ったけど、
私は採血・点滴のたびごとに一大仕事のつもりで文字通り「大緊張」しとりますので
それぐらいは勘弁してよ。
やっぱ、向こうも人間だから必死の訴えには反応してくれるもの。
成功してくれたら私も
「ありがとうございます〜」と全霊でもってお礼を言います。
「いえいえ、お役に立てて良かったです」
という会話になりますわね。
これはスゴく助かった体験でした。

医師にも一度採血してもらったけど、
医師はうまいからすぐ成功したのですが、
私は過呼吸みたいに体をよじらせてゼーハー言ってるんです。
「いつもそんな感じですか?(半ば呆れ顔で」
「ええ、しょっちゅう失敗されていますので」
「もっと楽にしてください!」
「・・・」

成功体験
これが幸せには欠かせない
成功しないことには前に進めないからだ
それがどんなにちっぽけなものであったとしても

採血ごときで何を偉そうにですが、イチ入院患者には重大事項だったというお話。

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