チャンネルデバイダー導入記(7)

これまでの「流れ」をまとめてみると

1.16センチフルレンジを密閉式の箱に入れて安価なデジタルアンプで鳴らすと
 なかなか良い音が聞けた
2.アナログ式の安価なチャンネルデバイダーを使ってでツィーターを
 別アンプで ドライブするとやはり効果が上がった
3.デジタル式のチャンネルデバイダーを使ってウーファーも別アンプで鳴らすと
 やはりそれなりに効果が認められた
4.テクニクスの往年の平面型スピーカーを使ってスピーカーを作ってみた

これからディレイやクロスオーバー、自動EQによる補正といった内容を
音を実際に録音しながら進めていこうとしている感じだ。

今日は一寸一息いれて、別の方面から考察してみることにする。

私が音楽を聞くようになてから40年位の月日が経過しているが
その間のテクノロジー的な変遷について考えてみると

1.音楽ソースがレコードからCDにそしてネット配信にと移ってきた
2.アナログ回路は40年の間、然程変化していない
 スピーカーの発音原理などは60年ほど前と大きな変化はない
 いや却って懐古趣味化している(退嬰とは言わないでおく、趣味の世界なので)かも知れない
 真空管やアナログプレーヤが珍重されて来ている昨今であるから
3.デジタル技術はものすごく進歩してきた。以前は動画をネットで見ることすら困難だったが
 今日ではスタジオまるごとがPCのソフトウェア上で再現でき、それをプロが使っている時代だ

オーディオ機材でいうと、デジタル機器(チャンデバとデジタルアナログコンバータ)とデジタルアンプ
これはこの30年で飛躍的に進歩したものと言える

だから、このブログで実験していることは
この40年間に大きく進歩したデジタル技術でスピーカーを鳴らそうとしていると言うことだ
一言で言うならば。
だから、偉そうに言うなら「上手く行って当然」だと思っている。
技術が進歩した部分、すなわちコストダウンが顕著なもので組み立てて音出しをしているのだから。

ただ一方で、一般的な音楽、オーディオ愛好家の方々は
「既存のスピーカーを既存のアンプで鳴らす」という
40年前と同じようなやり方を踏襲されているケースが多いと思い、
それがこの項目を執筆する動機となっている。

スピーカーに組み込まれている「エレクトロニッククロスオーバー」を介しては
「良い音」で聞くのは困難であるからだ。
(無論、推測、つまりある種の暴論であるのは認める。
そういったクロスオーバーを介して良い音をお聞きの方も大勢いらっしゃるのも認める。
私が言っているのはチャンデバを使ったほうがネットワークを経由した音よりも
コストや環境、パフォーマンスのバランスが勝ると思うからである)
それは如何に高額な逸品であろうと同じことだ。
コイルやコンデンサーを通ってしまったのでは、スピーカーは本来の音色を
必ずスポイルされてしまうから。
このことを証明する実験は、いずれ紹介したい。

「かつては」チャンデバやマルチアンプを使うのは
ものすごく費用の掛かる道楽であったろう。
だが、先程書いたように、それはこの30年ほどの技術の進歩により
事情が一変しているのだ。
普及クラスのスピーカーとアンプを買う資金があれば
チャンデバとマルチアンプを使って音楽を楽しく聞くことが出来る
これは多くの技術者と多くのメーカーの努力の賜物である。
実際には多くの方がすでにこの手法を使って音楽を楽しまれているのかも知れぬ。
同士のブログを拝見するに吝かではないが
全部を見るのも生身の人間には無理なものである。
私のこの執筆は余り意味がないことかも知れない
でもまあ、やはり「主流」までは行ってないと思われるので
自分なりの区切りまでは書こうと思っている。

自転車に例えてみる。
ママチャリでも徒歩に較べれば充分便利なもので
買い物やお出かけの日常使いをすることが出来る。
ロードレーサーも自転車の一種だが
値段は以上100万円するものもあるのはぽご存知の方も多いだろう。
自転車は軽いほうが性能があげられるので、1グラムを軽量化するために
最新素材を使うなどして莫大なコストがかかる。
勿論、それによって出ないと得られない世界があるので、それはそれで良い。
コンピューターのCPUとかも同様だ。
極限までスピードをあげようとするとホンの少しの差のために
何倍もの投資をしなくてはならなくなる。
自転車もコンピューターも、投資額と性能はある程度は比例するが
コストをかければかけるほどその「伸び」はなだらかになていく。
100均のバッグとブランド品の比較と置き換えてもわかりやすいだろう
「ものを入れて運ぶ」という本来のカバンの用途では、価格に見合った質の向上は皆無と言って良いだろう。
勿論、満足感とかステイタス感とか俺一寸すごくなっちゃた感とかそういうのはまた別の話。

音楽を聞く機械、所謂「オーディオ」も同様と思う。
値段をかければある程度のクオリティは得られるけれど
かければかけるほど、その見返りは少なくなってくる。
このブログではその投資の部分を「チャンネルデバイダありき」に
するべきではないかと提案している。

音源はスマホでもPCでも普通に聞くには充分なクオリティがあると思うが
問題はスピーカーなのだ。
身近な市販品を見ると小さいスピーカーばかりになってしまい、
低音が出ない状況なのは「16センチフルレンジ」の項目で書いたとおりだ。
マニア向けのモデルを選べば大きなスピーカーもあるにはあるが
ペアで20万ほど必要になってくる。しかも大抵は2ウェイタイプ。
3ウェイだと50万とか100万円まで掛けなくては、になってくる
で、アンプもセパレートでそれぞれ100万円ほどが程よいバランスと言われる。

冗談じゃない!

コイズミ無線さんのホームページを見てもらうと解るように
スピーカーのユニットのお値段は一つ辺り1万円も出せば高級品が買える。
フルレンジとツィーターには万円ほど出せばかなりの良いユニットが買えるのだ。
ウーファーはもう少し高くなるけれども、それにしても10万円で最高級品が買える。
それを箱に入れて製品になると「100万円」の値段になってくる。
しかもバランスは自分で変更できないので不満を抱える可能性が高いうえ、
(この辺りは安価なチャンデバでマルチを組んでみたときに書いたが、
音源によって最適なバランスは調整したほうが良いから
一通りのバランスでいつも楽しく音楽が聞けるはずがないのである)
アンプにもトーンコントロールが付いてないものが多いので、
それを電源ケーブルとか接続ケーブルとかインシュレータとかのアクセサリーで補うことが
マニア的な王道だが、それらがマアびっくりするぐらい高価でナンマイダーである。
ぶっちゃけ私はそういうの嫌いではないけど、人様にオススメは全く出来ない。

チャンデバを使って自分でバランスをとってしまえば、
そういった色々な「しがらみ」から自由になることが出来る。
何と言っても「バランス」は自分で意のままに調整できるのだから。
アンプもスピーカーもコストはさほどかからない、
「部屋の問題」だって自分でバランスを取るのだから、工夫次第だ。
アンプやスピーカーにこだわりたければ、少しずつ変更していけば良い。
それを既存のスピーカーとアンプから入ってしまうと、
投資額は何十倍にも膨れ上がってしまう。
勿論お金持ちの人にはなんとも無いかも知れないけれど、
私はお金のあるなしで音楽が楽しめたりそうでなかったりするのは
まっぴらゴメンなんだ!

という訳でこれが私のチャンデバオススメの理由なんですが、
正解は人の数だけあるので、これだけが最高と思ってる訳ではない。
ま、少なくとも私には大正解だったので、オススメはどんどんして行きますけどね!

今回は理論武装編でした

次回は実際に平面スピーカーの自作バックロードホーンを使って
「入力レベル」の話を音源付きでしていく予定です。

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