チャンネルデバイダー導入記(3)

さて、今までの流れを振り返りつつ、
3ウェイでデジタル方式のチャンネルデバイダーを使用する
メリットとかについて書いていき、
後半では実際に音を貼り付けていきます。

まず、最近の家電売り場などでは
小さなスピーカーしか売っていなくって
大きなスピーカーはマニアのお店でかなり高値をはたくか
通販でユニットを購入して自作の箱に入れて鳴らすか
現状では2択ではないかとし、
1本2000円の16センチフルレンジユニットで「密閉式」の
そこそこ大きめの箱(体積15リットル程度の大きさ)に入れ、
駆動するアンプは5000円程度の比較的安価な
デジタルアンプを使用して、なかなかの音が聞けると
そういう話を書いた。

次に、高域をツィーターで再生するために
やはり安価なチャンネルデバイダーを追加して
これもまずまず効果が上がって、
投資する価値はありだという話も書いた。

また、スピーカー1台、アンプ1台の一般的な
「オーディオ機器の組み合わせ」では
ジャンルによって、あるいは個人の好みのよって
音のバランスが合う合わないが生じてしまって、
満足行く音がなかなか聞けないのではないかと
そういうことも書いたと思う。
チャンネルデバイダーを使って曲ごとに微調整すれば
そのすり合わせが割と簡単に行えると、そういう話も書いた。

で、前回はdbxというメーカーの
「DraiveRack Pa2」という機材を使って3チャンネルのマルチを
組み立てたと、そういうところまで書いたと思う。

さて、「クロスオーバー周波数」の話をしたい。
どの帯域でツィーターとミッドレンジとウーファーを鳴らすかということだ
市販のスピーカーでは3ウェイだとしても内部に「ネットワーク回路」が
組み込まれて、そのモデルごとに周波数の区切り所謂「クロスオーバー周波数」は
決まっていて、購入後変更することは、不可能だ。
だが、チャンネルデバイダーであれば、
自由にその値をコントロールすることができる。

私の提案では先程のまとめでもおわかりのように
「大きめのフルレンジ」が前提条件なので、
クロスオーバー周波数についてはかなり自由度が高い。
フルレンジをやや大きめの密閉箱に入れるだけで
「80~1500Hz」の周波数再生が可能だからだ。
それゆえ、かなり自由にツィーターやウーハーとのクロスを
設定することができる。

今回、私が設定したクロスオーバー周波数は
「200Hzと3000Hz」だ。
各人好みもあると思うので、これが絶対とは思わないが
この数値に至った経緯を説明してみたい。
まず、高い方の3000という数値、
これはフルレンジの高い音とツィーターの繋がりが、
この辺りが一番良いと思ったからである。
実のところ、曲によっても良い加減の場所が変ってくるので
あまり悩まず「仮に」決めたほうが良いと思う。
またツィーターの低域の再生限界(「f0」と書かれている)とも絡んでくるので、
カタログデータなど参考にして決めるのが良いと思う。

今回使用したParcAudioのユニットはf0は1700Hzなので
2000よりも下げるとユニットに負荷がかかりすぎると思う
また、アナログのチャンデバや内部のネットワークでは
スロープ特性は 12db/octかせいぜい24db/octだが
デジタルチャンデバのメリットはこれが48db/octが使える点だ。
今回のテストではスロープ特性はすべて48db/octを使用している。
急峻なスロープのほうが、スピーカーユニットとアンプの負担が軽いと判断したし
実際に聞いてみても結果が好みに近かった。

低い方の200という数値は、随分悩んだが
スピーカーの特性というより音楽の特徴を考えて決定した
「ベースの帯域」
これはピアノでいうと「どまんなかのド」からオクターブ下のド位から下
数値では130Hzより下 これはフルレンジでは再生したくなかった
「ヴォーカル帯域」
これはピアノでいうと「どまんなかのド」の上のミくらいから上
数値では330Hzより上 ここはウーファーでは再生したくない。

つまり「130-330」の間でクロスを決めたかったのだけど
必ずメリットとデメリットが生じてきて、なかなか決められなかった
特に「男性のボーカルで音が低めのもの」が一番バランスが難しかった。
全部うまく行く数値は存在しないようだった・・
最終的にはヴァイオリンの最低音がほぼ200Hzなので
そこをクロスオーバーにしてみた。
私、一応ヴァイオリン弾きでもあるので、
ヴァイオリンの音がウーファーから聞こえるのは避けたかったと、
そういう理由です。

では実際の音をお聞きください
曲は「異邦人」のイントロ部分

実はアンプが諸事情があって以前の機種と変っていますので
シビアな比較は出来ないですが、値段はほとんど変っていなくて
アナログチャンデバからデジタルチャンデバに
機種変更した事よる音の性質の違いのほうが
アンプを変えた変化より大きいように思いました。
この比較は、また別のときにアップしたいです

ではイントロ

200ヘルツ以下の音

ウーファーからの音
背後のノイズを聞くとかなりノーマライズされているのに気づくと思います

200〜3000ヘルツの音

ミッドレンジからの音
大事な音楽信号はほぼ網羅していますね、まあ当たり前ですけど・・

3000ヘルツ以上の音

ツィーターからの音
やはりかなりノーマライズしています
これだけ聞くと雑音みたいでしょ?

そしてこれが3つ一度にならしたものです
以前のものと比べてベースの音の分離が良いのが解るかと思います

次回は実際にどのようなスイッチを使ってクロスオーバーをいじるのか
書いていきたいと思います

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